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【along with her story】ミュージシャン 赤星ゆり

新しいシリーズを始めます。

“along with her story”

最近、ブログ記事の末尾やお店に置いていただているPOPの裏に「along with your story」という言葉を入れています。これは、GARGERYが飲み手の皆さまの人生に寄り添うような存在でありたいと思っている気持ちを少し気取ったフレーズにしたものです。お客様の人生における大事な瞬間に手にしたくなるビールでありたい。飲み手のストーリーとともに歩みたい。

このシリーズではGARGERYがよく似合う大人の女性アーティストにスポットを当て、リュトンを片手に、それぞれのストーリーを語っていただきたいと思います。
だから「along with “her” story」です。

当シリーズの第一回目はミュージシャンの赤星ゆりさんにお越しいただきました。
場所は渋谷のshot bar Cheersです。

まずは乾杯。

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400年前の鍵盤楽器チェンバロで、今を奏でる

赤星さんはピアノをはじめ様々な鍵盤楽器、チェンバロ、ピアニカ、吹奏式鍵盤笛などで、クラシック、ポップス、ワールドミュージック等の幅広いジャンルの音楽を演奏。図書館や美術館、学校、ライブハウスなどを舞台に意欲的な演奏活動を続けていらっしゃいます。

中でもユニークなのは「ワールドフルート&チェンバロ」。世界各国の民族笛を自在に操るワールドフルート演奏家の野田晴彦さんと組み、赤星さんは16-18世紀中頃にヨーロッパでよく使われたチェンバロという鍵盤楽器を奏で、息の合ったアンサンブルを披露。民族音楽ではなく、ポピュラーやスタンダードナンバー、野田さんのハートフルなオリジナル曲を、思わず笑顔が溢れるようなアレンジ、息を呑むような見事なコンビネーションで、コンサートの最初から最後まで聴衆を全く飽きさせず聴かせます。

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いつも音楽とともに歩んできた

赤星さんが音楽を始めたきっかけを聞きました。

「子供の頃から音楽が好きで、喋ることより唄うほうが先でした。5歳からピアノを習い始めたのですが、稽古が苦手で中学に上がった頃に一旦やめました。でも、音楽の楽しさからは離れられず、好き勝手にピアノを弾いたり、ブラスバンドでサックスを吹くなどしていましたね。

17歳の頃に再びピアノで音楽大学へ進むことにしたのですが、小学生までで基礎の勉強をやめてしまったので大変でした。学生時代はクラシックを学ぶ一方で、ポップスやジャズなどにも憧れましたが、一番念頭にあったのは子供の頃からの憧れのクラシック曲を弾けるようになることでした。同時に、独奏よりもアンサンブルの楽しさに目覚めました。

卒業してから音楽教室で講師をしながらピアノ演奏を続け、歌やバイオリン、チェロ、フルート、打楽器などとのアンサンブルに精を出していましたが、ミュージカルの稽古場のピアニストを務めたことがきっかけで、クラシック以外のジャンルに取り組みたい気持ちが再燃したんです。そして、作曲家の野田さんとの出会いがあり、ジャズ、ポップス、ロック、民族音楽、様々なテイストを取り入れたオリジナル音楽活動に関わるようになりました。」

チェンバロと民族笛、アンサンブルの魅力

「チェンバロはとても小さな爪で弦をはじくので、繊細で、どこか涼しげで、同時に温かさとユーモラスさも感じさせるとても不思議な音色を出します。そして、素朴な音色で切々と唄いあげる民族笛、その二つのコンビネーションがユニークかつバランス良く、心地良さにつながっているのかもしれません。アレンジの工夫次第で、美しい映画音楽のメロディやスタンダードナンバーから、リズミカルなラテンの曲やレゲエ、など多彩に表現できるのです。」

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「チェンバロと民族笛のアンサンブルでポピュラーを、なんて他には例のないユニットなので、毎回試行錯誤で大変な思いをしながらアレンジしていますが、ライブで皆様にお届けして喜んでいただけた時は言葉に尽くしがたい幸せ!ぜひ一度、世にも珍しく楽しいこのデュオをお聴きいただけたらと思います!」

ミュージシャンとして心がけている事

「チェンバロの時も、ピアノの時も、ワールドフルートとのデュオは、楽器編成もアレンジも、これをお手本にすれば良い、というような前例がありませんから、ジャズやクラシックだけでなく、演歌、ロック、シャンソン、邦楽、アフリカや南米の民族音楽… いろんな種類の音楽を聴いて、常に自分の耳の視野(というと変ですが)を拡げていきたいです。その中から、自分のフィルターを通して自分の音作りをしていけたら、と考えています。

私自身が音楽を表現するうえで大切にしている「安らぎ」「ユーモア」「切なさ」「懐かしさ」を聴く人にも共感していただけたらこんな幸せなことはありません。」

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「人が気持ちいい、と感じる音楽には共通項があって、それは、流れが自然でスムーズであること。その中でさらに、面白さやスリルを感じさせるのは、心地良くはずんだリズムと、予想を裏切る変化。気持ちを高揚させるのは、たゆまず容赦なく浴びせかけてくる音のエネルギー。それを目の前の人間が真剣に、そして楽しみながらリアルタイムでやっている姿に共感してくれるのだと思って、そのことを大切にパフォーマンスをやっていきたい。それはどんなジャンルの音楽でも一緒だと思っています。」

音楽は人の心の中のストーリーと共にある

「音楽に本気で関わり出してから30年になります。始めのうちはただ音楽が好きでただ一生懸命やってきただけでしたが、ある時期から音楽って人間にとって何だろう、音楽の持っている力って何だろう、という事を考えるようになり、最近になってようやくその自分なりの答えが見つかってきました。

音楽を聴いていると、自分が過去に見た風景などがパッとうかんだり、
一人一人の頭の中のスクリーンに、その人それぞれのものを映し出します。コンサート後のアンケートに「・・の風景が浮かびました」「 ・・へ行ったような心地でした。」という言葉をいただきます。皆さんが、心の中で自分だけの映画を見ながら聴いて下さる、それが私たちの楽しさとやりがいです。そして「仕事でいろいろ疲れていたけれど、元気とパワーをもらえてまた明日からがんばろうと思いました。」という言葉をいただくと、本当に嬉しく、世の中での自分たちの役割を感じて背筋が伸びる思いです。」

赤星さんとGARGERYの共通点

リュトンを片手にした赤星さんの語りもそろそろ終盤です。

歴史ある楽器を自由な発想で組み合わせ、様々な曲を様々なアレンジで息の合ったパートナーと演奏し聴衆を楽しませる赤星さんの活動は、ヨーロッパの伝統的なエール、角杯、ルーン文字、古典小説という様々な要素を組み合わせて新しい現代的なブランドのビールを創り出し、パートナーの飲食店とのコンビネーションでお客様に喜んでいただきたいと考えているGARGERYと極めて近いものがあるように思います。

最後に、赤星さんが美味しいお酒やガージェリーを飲むのはどんなシチュエーションなのか聞いてみました。

「ライブが終わってメンバーやお店のオーナーや気心の知れたお客さんと打ち上げに行った時のお酒は毎回印象深いです。皆さん、思い思いに一日を過ごした後、それぞれのコンディションで夜ライブを聴きにいらして、中にはお仕事などでとても疲れていらした方もおられたりするのですが、今日のライブでとても元気になったよ、と、すっかりご機嫌で一緒に晴れやかににこやかに飲めたりして、そういう時はまさに格別のお酒、至福の外飲みです。」

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「ガージェリーはビールだけどちょっとアルコールが高くて、味わいにも華やぎがあって、格調が高くて、自分へのご褒美的なビールですね。久しぶりに会う気心の知れた女友達と二人で、とか、あるいは、一人で「今日はよくがんばったぞ、あたし」っていうような日にカウンターで一杯、よく味わいながら飲みたいですね。」

赤星さんに逢いたい

赤星さんはこれからも、各地でライブやサロンコンサートなどに出演される予定です。ぜひ足をお運びください。ライブ情報は以下のホームページにて。

<赤星さんのワールドフルートDUOのホームページ>
http://fuefuki.net/

インタビュー協力:渋谷 shot bar Cheers

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