「GARGERY」ってどういう意味なんですか?と、よく聞かれます。実は「GARGERY」は人の名前です。英国の作家、チャールズ・ディケンズ(1812-1870年)の小説「大いなる遺産」(原題:Great Expectations/1860年作品)の登場人物です。
新商品のブランド名を検討したのは、2002年12月のGARGERY発売開始に先立つ2002年5月から6月にかけて。その過程で、それはそれは多くの候補名が出てきました。意味のある言葉、勝手な造語、アルファベットを使ったもの、漢字を使ったもの、そして単なる記号まで。当時のネーミング会議の資料が残っています。会議は主だったもので4回にわたり、記録が残っているだけでも122個の候補名が出ました。そして「Gargery」は4回目の会議で、最後の最後に登場したのです。
最終的に候補に残った名前は2つ。
「Gargery(ガージェリー)」と「Bartis(バルティス)」でした。ちなみに「Bartis」はBarとArtisan(職人)の造語です。そして多数決の結果、ほぼ全員一致で「Gargery」に決まりました。「Gargery」という候補名が出てきた時、自分自身、何となく「おっ」と思うものがあったのですが、当時のメンバーも同じだったようです。
ブランド名に込めた我々の思いが、その当時の資料に残っています。
そのまま抜粋します。
エールビールの代表的産地であり、エールビールをこよなく愛する人々が住む国、イギリス。この国において、シェイクスピアと並び称され、世界中の国々に多くの読者を持つ偉大な作家、チャールズ・ディケンズ。
ジョー・ガージェリー(Joe Gargery)は、そのディケンズの代表作「大いなる遺産」における重要な登場人物である。主人公の孤児ピップを無償の愛で支える善意の人、ガージェリーは読む者に感涙を流させ、その名は今も人々の記憶から消えることはない。
優しさゆえに傷つきやすい心を、自分と向かい合って飲む一杯のビールで癒し、明日への活力としたガージェリー。その名は自らの人生を懸命に生き、ビールをこよなく愛する人々が暮らしていた、イギリスの古き良き時代のロマンを呼び起こす。
そして、自分に妥協しない真面目で一徹な職人(鍛冶屋)だったガージェリー。その名は、今回のプロジェクトにおけるビールへの熱い思い、強いこだわり、真摯な姿勢のシンボルでもある。
「GARGERY」というブランド名は2002年6月4日に誕生しました。
次回のブランド・ストーリーは「リュトン誕生秘話」を。