お気づきになったでしょうか?
瓶のガージェリーのラベルが少し変わったことを。
早いお店では昨年の初夏から新しいラベルのものがお客様に提供されていました。そろそろほとんど全てのお店の在庫が新しいものに切り替わっているものと思います。
新しいラベルのガージェリー瓶。
おそらく言われなければお店の方でさえ気づかない違いかもしれません。
旧ラベルのガージェリー瓶はこれです。
答はすでにこの文章に内包されているのですが、旧ラベルでは「GARGERY23」となっていたブランド名が「GARGERY」になったのです。これまでは樽の「GARGERY(ガージェリー)」に対して、瓶商品は「GARGERY23(ガージェリー・トゥースリー)」と表していたものを、樽も瓶も「GARGERY」に統一いたしました。ですので瓶商品だけを指すときは、「 “ 瓶の ” ガージェリー」という表現をする必要が出てきたのです。
この変更の理由は、「GARGERY」というブランド名の持つメッセージをより明確に伝えるためです。
飲み手の人生にいつも変わらず優しく寄り添いたい
「GARGERY」とは、イギリスの小説家チャールズ・ディケンズの『大いなる遺産』に登場する心優しい鍛冶職人の名前です。予期せず手にした莫大な資産のために心惑う人生を送る主人公Pip(ピップ)に、いつも変わらぬ深い愛情を持って接したのがJoe Gargery (ジョー・ガージェリー)です。その名前をつけたのは、造り手としての真摯な想いのシンボルであるとともに、飲み手の人生にいつも変わらず優しく寄り添うようなビールにしたいと思ったからです。
実際のところ、GARGERYというブランド名は昨今のビール商品の中では、読みにくく、覚えにくい方なのではないかと思います。なのに、敢えてこの名にしたのは、その意味をお店の方やお客様に語っていただきたいと思ったからです。一気に有名になるのではなく、ブランドを愛していただいている方々の口から口へと、ゆっくり丁寧に広まっていくことを意図したネーミングでした。
「23」に感謝を込めて
一方で瓶商品に「23」をつけたのは、事業スタート当初は樽商品2種類、スタウトとエステラだけだったガージェリーが、2009年に初めて瓶商品を発売した際、樽と瓶を区別しやすくするために「GARGERY」の後にサブタイトルがあった方が良いという便宜的な理由がありました。「23」の意味は、ガージェリーの3番目の商品だったので「3番目へ」つまり「To the Third」、さらに「To」を数字の「2(トゥー)」に読み替えて「23(トゥースリー)」としました。また、とりあえずの一杯目のビールではなく、一日の締めくくりの時間、つまり深夜にゆっくり味わうお酒として飲んでいただきたい、23時の「23」という意味も込めました。さらに、旧事務所があった武蔵小金井を通るJR中央線の車両の型式「233系」にちなんだという裏話もあります。
こういう経緯のある「23」にも十分思い入れはありましたが、あらためてGARGERYブランドとして伝えていきたいメッセージについて考えたときに、何が大切なのかは明らかでした。これから長く「GARGERY」を語り継いでいきたい、語っていただきたいと思うと、「23」からは、これまでの役割に感謝しつつ、卒業することが必要だと考えたのです。
一方で、基本的なラベルデザインもビールの中身も変える必要はありません。GARGERYは「変わらない」ブランドでありたいからです。いつも変わらず、深い愛情を持ってお客様のストーリーに寄り添っていたいのです。変わらないGARGERYであり続けるために、少しだけ変わりました。
あらためて「23」という数字を見ると、樽[2]種類、瓶[3]種類、というようにも見えてきます。
ゆっくり、そろそろと、[2]と[3]の次のことも、考えて始めています。
ゆっくりです。
急がず、いきたいと思います。
GARGERYは、急ぎません。
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こころまでを満たすようなビールを届けたい
外飲みを、もっと楽しく、もっと魅力的にしたい
飲み手の人生に寄り添うような存在でありたい
along with your story
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