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GARGERYのプレミアム – 個別冷蔵配送

シリーズ「プレミアムビールの真実」の第4回。

第1回では「麦芽100%だから高級というわけではない
第2回では「副原料にもしっかりとした役割がある
第3回では「長期低温熟成がGARGERYのプレミアムの一つ」  と書きました。

この第4回では、GARGERYのもう一つのプレミアム(=付加価値)である「個別冷蔵配送」について紹介します。

NB論文

樽詰したその日に飲んでもらいたかった

これまで何回も書いてきているように、ガージェリーが最もこだわっている品質は「コンディション」です。そもそも、ガージェリーにつながるプロジェクトへの応募論文のサブタイトルが、上の写真にあるように「ビールの日配商品化への挑戦」だったのです。
私は、ビールを製造したその日の美味しさを皆さんにお届けしたかった。それこそ究極のプレミアムだと考えていました。かつての牛乳のように、ビールが製造されたその日に、各家庭に毎日配達される。それをその日の晩酌で飲んでいただく。実は、そんな光景を思い描いていたのです。

コンディションを守るために直送にこだわる

今回のシリーズの第1回で、ビールのコストに占める原料費の割合はたかが知れていると書きました。これに対し、商品を工場から飲食店までお届けする物流費は決して馬鹿になりません。

通常は、ある程度まとめて詰めて、それをまとめて運ぶことでコストを抑えています。しかし、それでは、個々の飲食店までの流通に時間がかかり、また容器に詰めた後の在庫を抱えることになり、私が望むコンディションの良さが維持できません。
このような流通によるコンディションへの悪影響は、商品価格にかかわらず、流通量が少なく、仕込回数も少ない商品ほど、より顕著に表れるはずです。製造直後はプレミアムの名にふさわしい香味を有していても、その後の流通過程でそれが台無しになっていることは、大手メーカーの商品であっても決して珍しいことではありません。

だから、ガージェリーでは、ある程度のコストは掛かりますが、毎日樽詰めし、冷蔵で飲食店へ直送する仕組みとしたのです。また壜商品も、冷蔵による壜内熟成、飲食店までの冷蔵配送に責任を持つため、酒販店等には並べず、飲食店に直送する仕組みにしています。これが、ガージェリーのプレミアム「個別冷蔵配送」です。
外からは見えにくいですが、ガージェリーが胸を張って「プレミアムビール」だと主張する理由は、こんなところにも隠れているのです。

プレミアムの本質を見極めよう

これまで4回にわたって「プレミアムビールの真実」について書いてきました。
ビールは所詮嗜好品ですから、それのどこに価値を見出すかは、お飲みいただく皆さん一人ひとりに委ねられています。麦芽100%をプレミアムだと感じる方もいると思います。それはそれで良いと思います。しかし、その意味をきちんと理解していただき、それが自分にとってプレミアムを支払う価値があるものなのかどうか、そこを考えていただければと思います。

ガージェリーのプレミアムも、飲む方によっては単なる思い込みの押し売りになっているかもしれません。また、どんな時でもコンディションの良い、プレミアムビールの名に値するガージェリーを飲んでいただいているとは限らないことも承知しています。
でも、造り手としては、こうあるべきと信じた価値を持つ、他とは違う価値を持つビールを、でき得る限りの手を尽くしてお届けしているつもりです。そんな思いを感じながら飲んでいただければ、それに勝る喜びはありません。

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