GARGERYは2002年12月の発売以来2009年6月まで樽詰ビールだけを販売してきました。なぜ最初は樽詰ビールだけだったのか、それは、できる限りコンディションの良いビールを皆さんにお届けしたかったから・・・とブログに書きました。
しかし、樽詰ビールだけでは置いていただけるお店にどうしても限りがあります。そのため、何とか壜ビールでもコンディションの良い状態でお届けできないか・・・ずっと考えてきました。
樽詰ビールをただ壜に詰めるだけではない、壜詰にするしっかりとした理由がある商品を作りたい・・・その答えが壜内熟成ビール「GARGERY23」だったのです。
酸化を防ぐために酵母の力を借りる
普通のビールは、壜でも缶でも、そして樽でも、程度の差はあれ容器に詰めた途端に酸化が始まります。これは香味の劣化を意味します。この酸化を防ぐ手段は二つ・・・
- 容器内に酸素を入れない。
- 容器内の酸素を除去する。
このうち、容器内に酸素を入れずに詰めることは事実上不可能ですので、残された手段は2番目の「容器内の酸素を除去する」しかありません。そのためにはどうするか。GARGERYは酵母の力を借りることにしました。そう、酵母も一緒に壜詰しようと考えたのです。
酵母には強い還元力があります。呼吸で酸素を消費すると考えていただくと分かりやすいと思います。生きた酵母が壜内にあることで、多少の酸素は酵母によって消費されてしまい、その酸素によって起こるはずだった酸化が抑制されるわけです。
壜内で熟成させる
さて、酵母をビールと共に壜に詰めるということになると、その環境は熟成タンクと同じことになります。なので、熟成タンクに移す前の酵母濃度が高い時期に壜に詰めてしまえば、壜の中で熟成が進むというわけです。GARGERYはもともと非常に長い熟成期間を確保しているビールですので、壜内で長期熟成させるにはうってつけのビールでした。結果、賞味期限表示3年という壜ビール「GARGERY23」が誕生したのです。
念のために言うと、壜内熟成というのは別に新しい考え方ではありません。ベルギービールなどにはこうしたスタイルのビールが多くありますので、既に身近に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
壜内熟成ビールGARGERY23のコンディション
GARGERY23は熟成タンクにあるビールを、そのタンクから直接飲んでいると思ってください。繰り返します。GARGERYはビール工場で飲む美味しさをそのままお届けしたい・・・と考えてきました。その思いが壜内熟成という方法をとることで壜ビールでも実現したのです。酵母不在で壜詰され、長距離輸送と時間経過で酸化しきったビールとは、ひと味もふた味も違うコンディションの良さ。それがGARGERY23が持つ最大の特徴です。
GARGERY23では、ヴァイツェンタイプのWheatと、スタウトタイプのBLACKという2種類の商品を用意しています。酵母の働きの大きさを是非感じてみてください。