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樽詰ビールが出てこない – ここをチェック!

前2回のビールサーバー記事では、樽詰ビールが出てこなくなる原因である「スポンジ詰まり」と「全面凍結」について解説しました。
 >> ビールサーバー洗浄マスターへの道 – スポンジ詰まりは逆噴射で解決
 >> サーバートラブル ビールが出ない – 全面凍結はなぜ起こる

樽詰ビールが出てこなくなる原因はこれ以外にもあります。今回は、それらについてまとめて紹介します。

炭酸ガスは残っていますか?

笑ってはいけません…実際にあるのですから。

ビールが出てこなくなったら、まずは炭酸ガスボンベの残量を確認してください。樽詰ビールは炭酸ガスでビールを押し出すことで注げるわけですから、そのボンベが空ではビールが出てこないのは当たり前ですね。

炭酸ガス残量が分かる残量計は二か所あります。ボンベの元栓の付け根と減圧弁の先端です。
減圧弁2
より確実な目安となるのは、ボンベの元栓の付け根にある残量計です。黄色の輪の位置を見てください。左写真が満タンの状態、右写真が中身がかなり減ってきて、予備のボンベを用意すべき状態です。なお、この残量計はボンベの元栓を閉めていても残量を示します。
ボンベインジケーター
もう一か所は、ボンベに付いている減圧弁の先端です。ただ、こちらの残量計は、減圧弁の機種によっては付いていないものもあります。
見方はいたって簡単、残量計の中の黒い輪を見てください。黒い輪が左写真のように緑の部分に来ていれば残量は充分、右写真のように赤い部分に来るようになったら予備のボンベを用意する必要があります。なお、この残量計は、ボンベの元栓を閉めた状態では動きません。元栓が閉まっていると黒い輪は右端の赤い部分に張り付いたままですので慌てないように。
減圧弁インジケーター

プローブガスケットは付いていますか?

さて、次はディスペンスヘッドに原因があるケースです。
以前、以下のブログ記事で、ビールが樽から押し出される仕組みを解説しました。
 >> ビール樽の出入り口を守る – スピアバルブの構造と役割

炭酸ガスでビールを押し出す際、炭酸ガスは樽の上から来て、ビールも上へ出ていきますから、どこかで炭酸ガスとビールがすれ違います。そのすれ違いを交通整理しているのが、ディスペンスヘッドに付いているプローブガスケットという部品です。このプローブガスケットを紛失するとビールが出てこなくなります。これもまれに見られるケースです。
プローブガスケット
ヘッドを樽に付けっぱなしにして長期間経過すると、ビール成分がプローブガスケットとスピアバルブの口金の間で固着し、ヘッドを外した時にプローブガスケットだけスピアバルブに貼り付いて残ってしまうのです。ここで気が付けばよいのですが、気が付かずにスピアバルブに残ったプローブガスケットを紛失し、その後にヘッドを装着すると、炭酸ガスがショートパスしてしまい、ビールが出てきません。

ボールストッパーは付いていますか?

最後にもう一つ。これはめったにないケースですが、ディスペンスヘッド内部にある十字パッキンやボールストッパーを洗浄時に紛失し、逆止ボールだけが残っている状態だとビールが出てきません。

ヘッドの中には、樽から外した時のビール漏れを防止するために逆止ボールが入っています。
  >> 樽からビールを取り出す心臓部 – ディスペンスヘッド

ヘッドのハンドルを下ろすと、逆止ボールはビールに押されてストッパーの部分で止まります。この正常な状態であれば、逆止ボールの周りをビールが流れていきますが、ストッパーがないと逆止ボールがさらに先のビール出口をふさいでしまい、ビールが流れなくなってしまうのです。

最近はボールストッパーとして十字パッキンという部品を使っています。これは紛失するとすぐに分かりますね。
十字パッキン
古いスタイルでは、ヘッドのシリンダー内部に樹脂製の白いボールストッパーが入っています。この場合は十字パッキンは付いていません。このボールストッパーを紛失すると意外と気が付きません。ただ、多くの場合、ボールも一緒に紛失しますので、ビールが出てこなくなるケースはまれなのです。
ボールストッパー

さて、ご理解いただけましたか。ビールが出てこなくなったら慌てることなく、以下の点を一つ一つチェックしてください。

  • スポンジ詰まり
  • 全面凍結
  • 炭酸ガス切れ
  • プローブガスケット紛失
  • ボールストッパー紛失

必ずどれかが該当するはずです。そして、炭酸ガス切れ以外が原因でしたら私たちに連絡してください。何とかします。

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