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ビールサーバー洗浄マスターへの道 – 「水通し」の基本操作

昨年の10月から11月にかけて、樽詰ビール用のビールサーバーの仕組みや炭酸ガス圧力のコントロールについて解説する記事を書きました。ちょっと理屈っぽい記事になりましたが、お取扱い店の皆さんはじめ、意外と興味を持っていただけたようでうれしかったです。

さて、しばらく間が空いてしまいましたが、今年はそれに続き、ビールサーバーのメンテナンス方法やトラブルの原因、トラブル発生時の対処方法等について順次解説していこうと思います。これらをまとめれば、完璧な「樽詰ビールマニュアル」の出来上がり!…そんなところを狙っています(笑)。

まず最初はビールサーバーの洗浄方法について、題して「ビールサーバー洗浄マスターへの道」です。

サーバーを洗わないなんてあり得ない

ビールサーバーの洗浄の重要性については以前も記事を書きました。
 >> 美味しい樽詰ビールを提供する秘訣 – 保管と洗浄

繰り返しになりますが、樽詰ビールを美味しく提供する第一歩、それは何を置いても「ビールサーバーの適切な洗浄」です。皆さん、使い終わってから洗っていないグラスや用具を使ったドリンクを提供されることを想像してみてください。あり得ませんよね。日々の使用が終わった後、ビールサーバーの配管の中にビールが残ったまま放置する…これが汚れの蓄積を呼び、樽詰ビール品質劣化の大きな原因となるのです。これを避けるためには、配管中のビールを水で押し流す「水通し」という作業を毎日行うことが重要です。

それでは、「水通し」の具体的な方法を説明します。

「水通し」の小道具 – 洗浄タンク

水通し作業には洗浄タンクと呼ばれる水の容器が必要です。ガージェリーが提供している洗浄タンクが下の写真です。
洗浄タンク1
もう少し近づいて上から見るとこんな風になっています。
洗浄タンク2
蓋も何にもなくて、ただ口が開いているだけなのが分かると思います。左手前の「押」と書かれたボタンが付いている部分は、洗浄タンク内の圧力を抜くためのリリース弁です。

「水通し」の基本操作をマスターしよう

それでは実際に「水通し」をしてみましょう。

まず洗浄タンクに水を入れ、ディスペンスヘッドを樽から外してそのまま洗浄タンクに取り付けます。
水通し1
準備はこれだけ。ただ、樽の場合はこのままハンドルを下げればビールが出てくるのですが、洗浄タンクの場合はそうはいきません。先ほど見ていただいた通り、洗浄タンクにはタンクの底から水を出すためのチューブがありません。
水通し4
ではどうするのか…
洗浄タンクをひっくり返すのです。洗浄タンクをひっくり返してからディスペンスヘッドのハンドルを下げ(この場合は上げる…かな)、サーバーのタップのハンドルをビールを出す時のように手前に引けば、配管中に残っていたビールに続いて炭酸ガスで押し出された水がタップから出てきます。途中でタップのハンドルを奥に倒し、泡ラインのビールも抜くことも忘れないようにしてください。
水通し2
洗浄タンクにはフックが付いていますから、例えばひっくり返した状態で樽や炭酸ガスボンベの取っ手などに引っ掛けると、両手を空けて作業することができます。下の写真のような感じですね。
水通し3
タップから出てくるビールが水に切り替わり、サーバーの配管内が完全に水に置き換わればOK。洗浄タンクを再度ひっくり返して正置します。こうすると炭酸ガスだけが流れますので、そのガスで配管内の水も軽く押し出し、ディスペンスヘッドのハンドルを上げれば終了です。
さて、ディスペンスヘッドを洗浄タンクから外します…

でも、ちょっと待った!

そのままヘッドを外すと、洗浄タンク内に残った炭酸ガスの圧力でヘッドが思い切り飛び出してきます。それを防ぐために、洗浄タンクについているリリース弁の「押」ボタンを押して、タンク内の圧力を抜きましょう。ヘッドを外すのはそれからです。これ、絶対に忘れないでください。
洗浄タンク3

以上が、ビールサーバー洗浄の基本中の基本である「水通し」です。まずはこれをマスターしてください。次回はさらに一歩進み、洗浄用スポンジを使った「スポンジ洗浄」について説明します。

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