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ガージェリーの創り手と造り手 ~委託醸造~

ガージェリーのブルーマスター(兼)株式会社ビアスタイル21の社長を務めている佐々木から、今回はガージェリーの製造に関わる話をします。

私たち株式会社ビアスタイル21は、皆さんからはビールメーカーに見えているかもしれませんが、実は自社でビールの醸造設備を持っていない酒類販売会社なのです。つまり、メーカーからビールを仕入れてお客様(飲食店)に販売する酒販店です。
しかし、一般の酒販店と大きく異なる点は、ビール醸造のノウハウ、自分たちが創り出したいビールのレシピを作る力を持っているということ、そして自社ブランドのビールを販売することが事業の根幹であるということです。「GARGERY(ガージェリー)」というブランドとレシピは自社で開発・所有し、契約した醸造所に醸造委託し、そのビールを自社ブランド商品として販売しているのです。

ガージェリーの骨格とも言うべきレシピ、すなわち使用する原料の選定、配合、仕込プログラム、発酵条件等は全てブルーマスターである私が決めています。そして、それらを製造標準という形で醸造委託先であるエチゴビール社に提示し、現場におけるビール醸造をお願いしています。

製造標準

ガージェリーのラベル表記(→「製造者/エチゴビール株式会社」と書いてあります)をご覧になった皆さんから、「ガージェリーってエチゴビールなんだ…」という反応をいただくことが少なくありません。確かに、エチゴビール社が製造しているのは間違いないのですが、ブランドをビアスタイル21社が所有している上に、レシピに関わる部分は全て私が決めているのですから、ガージェリーはエチゴビールではなく、ビアスタイル21社のオリジナルビールであると明確に言えるのです。

さて、ガージェリーは原料もエチゴビール社とは異なるものを使用しています。工場見学会に参加された皆さんは現場をご記憶でしょうか… エチゴビール社のモルト倉庫には、エチゴビール用のドイツ産モルトとは別に、ガージェリー用のフランス産モルト(下の写真の青い方がそれです)が積まれています。ガージェリーは、樽詰商品2種と瓶商品3種、全てフランス産モルトのみで仕込みます。また、ホップは、ガージェリー専用としてビアスタイル21社が購入したものをエチゴビール社に預け、使用してもらっています。

モルト倉庫

実際にガージェリーの醸造が始まると、エチゴビール社の醸造スタッフと私の間の情報のやり取りが重要になってきます。ビール醸造、特に発酵工程は酵母という生き物を相手にするわけですから、その時々によって工程条件を微妙にコントロールする必要が生じます。そういった微妙なコントロールは予め製造標準に記載することはできません。エチゴビール社の現場から発酵中の若ビールの糖度を日々連絡してもらいながら、私からその都度指示を出して設定温度を変えていく… そのようなやり方で工程を進めます。
醸造が無事終了すると、ロット毎の工程記録を送ってもらって私も共有し、私なりの工程記録表を仕上げます。そうすることで、お取扱店やお客様から品質に関わる何らかのお問合せがあった際には、私の手元でほとんどの工程記録が即座に確認できるようにしているのです。

工程管理

半製品(熟成前や熟成中の酒のことをこう呼びます)や製品の官能検査も重要です。樽詰商品は、私がエチゴビール社に行った際、熟成タンクにスタンバイしている各ロットの酒を試飲したり、実際の樽をビアスタイル21社へ送ってもらうこともあります。また、瓶詰商品は、ロット毎の瓶詰前の酒をビアスタイル21社へ送ってもらって試飲、チェックします。万が一、何らかの不具合があった場合は、その修正方法、処理方法を現場とも相談しながら考えていきます。

いかがでしょう。ガージェリーの委託醸造についてご理解いただけたでしょうか。
ガージェリーはビアスタイル21社のオリジナルビールであることを覚えていただけると嬉しいです。

そして最後になりましたが、ガージェリーの品質を実現するために、現場で醸造の実作業を担い、365日無休で樽詰、出荷に対応いただいているエチゴビール社に深く感謝したいと思います。

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