昨年2011年末、GARGERY23 Wheatの4年熟成品を試飲したレポートを記事にしました。
そして、「まだまだいけるぞ!」という主旨のコメントを書きました。
>> 飲んでみました – 4年熟成のGARGERY23 Wheat
お待たせしました。今年も飲みました。
当然ながら熟成期間は1年延びて、ついに5年熟成!さて、如何なる香味に進化、あるいは退化したのか。ドキドキ、ワクワクです。
5年熟成 GARGERY23 Wheat
昨年同様、熟成品と通常品の比較写真をご覧ください。左側が昨年試飲したものと同じロットである2007年11月16日壜詰品で、壜詰後約5年間冷蔵保管されていたもの、右側が現在出荷中の2012年8月17日壜詰品です。いずれも静置してあった壜から静かにコップ一杯分を注いだ状態です。
まず驚くことは、5年も経過しているのにビールが非常にクリアだということです。昨年も書きましたが、通常のビールでは酸化混濁という現象が起こり、ひどい場合には数か月で薄い曇りが生じてしまうのです。ところが、生きた酵母の働きで酸化が最小限に抑えられているのでしょう、とてもクリアな状態が保たれています。
一方、色度には変化が生じています。昨年の記事での比較よりも、熟成品の方が一段と色が濃くなっているのが分かります。まあ、このあたりは多少の壜差(壜毎の変化の差)があると思います。
さて、熟成品を飲んでみます。やはり違います。グラスを鼻先に持っていくと、何と言うのでしょう、日本酒の古酒で感じられるような、醤油を連想するような香ばしい香りを感じます。もちろんヴァイツェンタイプ特有の華やかな香りも残っているのですが、それはやや控えめになってきています。口に含むと通常品よりもやや酸味が強くなっている感じがします。いずれも嫌な香味ではありません。どちらかと言うと、熟成品の方がすっきりした感じでした。
GARGERY23 Wheatは、好き嫌いはともかく、5年という長い時間が経過してもビールとして十分に楽しむことができる香味を保っていました。今年も書きます…「まだまだいけます!」
■「BAR ARGYLL」の皆さんのコメント
今回は、GARGERYバーベキューを共催した「BAR ARGYLL」の皆さんにも同じ熟成品の試飲をお願いし、コメントをいただきました。ポジティブ、ネガティブ両方のニュアンスが含まれていますが、嗜好品である以上当然のこと。私の文章が的確に表現できていない部分もあるかもしれませんが、一つ一つしっかり噛みしめたいと思います
李さん:「正直言ってちょっと苦手でした。全体が丸くなり過ぎて、その中に特定の旨みを探すのが大変といった感じでしょうか。」
加藤さん:「ランビックのような独特の酸味を感じると共に、小さな壜でもこれだけ味が変わることに驚きました。」
手塚さん:「思いのほか軽く感じました。」
3年熟成 GARGERY23 BLACK
GARGERY23はWheatだけではありません。Wheatから1年遅れで発売したBLACKも着々と熟成が進んでいます。今回は、BLACKの初回ロットである2010年2月10日壜詰品を現在出荷中のものと比較してみました。3年弱の熟成品になります。
外観は…もともと色が濃いので差はよく分かりません(笑)。写真では見にくいですが、こちらも肉眼で見る限りビール自体に濁りは生じていません。
飲んでみます。熟成品は通常品に比べてより滑らかな舌触り、喉ごしになっているように感じます。また陳腐な表現ですが、よりコクが出てきていようにも感じます。一方、輸入ギネスで感じられるような酸化による香味がやや目立ちます。これがコクにつながっているとも言えるのですが、熟成品と通常品の好き嫌いは分かれると思います。
GARGERY23 Xale – 来年のお楽しみ
そして最後はXale。こちらは今年9月に発売したばかりなので、初回ロットと言えども熟成期間はまだ8ヶ月ほど…ということで、皆さんに紹介するのはもう1年待とうと思います。来年の年末に報告しますので、お楽しみに。
さて、2012年のガージェリー・ブログはこれにて終了です。今宵は、今年一年を振り返りながら、一人ゆっくりとガージェリーを飲もうと思います。
ガージェリーは今年、皆様のご支援、ご愛飲に支えられ、何とか10周年を迎えることができました。改めてお礼申し上げます。
今年もたくさんのご愛飲ありがとうございました。
11年目を迎える来年もガージェリーをどうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。