シリーズ「プレミアムビールの真実」の第3回。
第1回では「麦芽100%だから高級というわけではない」
第2回では「副原料にもしっかりとした役割がある」 と書きました。
今回からは、GARGERYが持つ具体的なプレミアム(=付加価値)を取り上げ、紹介していきたいと思います。
麦芽をマッシュケトルに投入するところからビール醸造が始まる
ガージェリーはここがプレミアム
ガージェリーは麦芽100%ビールです。「生」であることを強調しないのと同様、ことさら声を大にして言うことではありません。ガージェリーは“すっきり感”や“のど越しの良さ”を楽しむような「とりあえずビール」ではなく、ワインやウイスキーなどと同様、ゆっくりと味わうお酒を目指しています。そのために、より味わい深い香味になる麦芽100%という原料組成を選んでいるのです。最近は麦芽100%ビールが流行りですから、麦芽100%であること自体は特にプレミアムではありません。
ではガージェリーのプレミアムはどこにあるのでしょうか。
- ガージェリーは濃いビールです。
- ガージェリーは長期低温熟成させるビールです。(23は壜内熟成)
- ガージェリーは毎日樽詰、個別冷蔵配送をしています。
- ガージェリーは飲食店限定で、生産量が非常に少ないビールです。
以上のような点が、国内で流通する多くのピルスナータイプのビールにはないガージェリーのプレミアムだと考えています。
ガージェリーは濃いビール
ガージェリーは麦芽使用量が多く、濃いビールです。プレミアムビールを含む大手ピルスナータイプに比べ、樽詰のGARGERY STOUT(スタウト)で約40%以上、GARGERY ESTELLA(エステラ)で約15%以上多くなっています。
ガージェリーの中では最も麦芽使用量が少ない壜詰のGARGERY23 Wheatでも、大手ビール並みか、それ以上の麦芽使用量となっています。
また同時に、苦味も強いビールで、当然ながらホップの使用量も多くなっています。苦味の分析値であるBU値(Bitter Unit)は、スタウトで40、エステラで30に設定しています。大手ピルスナータイプのBU値は15~25程度です。
このように苦味は強いのですが、麦芽使用量の多さによる味わい深さとのバランスによって、それほど苦味を感じさせないところがポイントです。
「長期低温熟成」による味づくり
濃いビールを醸造するためには、より長い熟成期間が必要だと考えています。
通常、エールタイプのビールは比較的短期間の熟成で出荷されることが多いのですが、ガージェリーはここを変えました。エステラの紹介記事でも書きましたが、「エールとラガーの融合」を目指したのです。つまり、エールでありながら、ラガーのように長期低温熟成させます。それによって、非常に濃いビールでありながら、飲みやすさを併せ持つ特徴を引き出しました。これこそ、ガージェリーが持つプレミアムだと考えています。
スタウトは100日以上、エステラは60日以上の熟成期間を確保
この熟成期間は、国産のいかなるプレミアムビールよりも長いと自負しています。
実は、製造工程で「長期低温熟成させる」というのはとても大きなコストになります。原料の使用量を多少増やすこととは比べ物にならないくらいです。しかし、味わいのためにあえてそこにこだわり、ガージェリーの香味を造り出しています。
その成果は・・・、皆さんご自身の五感で確認してください。
今回はここまで。次回は、もう一つの大事なプレミアムである「個別冷蔵配送」について紹介します。