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ビールサーバーの仕組みを解説 – サーバーを制する者は樽詰ビールを制す

新たなシリーズ記事として、「ビールサーバー」の仕組みや代表的なトラブル、その対処方法について書いていこうと思います。

ビールサーバーの話を読んで、一体誰が得をするのか!?
お取扱店の皆さんにはかなり役立つこと間違いなしですが、お店でビールを飲んでいただく皆さんにはちょっと退屈な話?
いやいや、そんなことはありません。樽詰ビールをより美味しく飲むために、飲み手の皆さんも知っておいて決して損は無いはずです(笑)。

ビールサーバーの種類のおさらい

樽詰ビールを注ぎ出すのに欠かせないビールサーバー、以前のブログ記事でその種類について紹介しました。
 >> 「生ビール冷えてます」のウソとホント – ビールサーバーの話

  • 樽自体を冷やす冷蔵庫のような「樽冷式ビールサーバー」
  • 常温の樽でもすぐに飲み頃の温度にできる「瞬冷式ビールサーバー」

以上の2種類がありましたね。

今回取り上げるのは、飲食店で最も多く使われている「瞬冷式ビールサーバー」です。外観はご覧の通り。このサーバーの中をビールが通って出てくると、あら不思議、一瞬にして飲みごろの温度になっているのです。さて、その仕組みは…
ディスペンサー

瞬冷式ビールサーバーの内部へ潜入

瞬冷式サーバーの蓋を外して真上から眺めてみたのが下の写真。初めて見る方も多いことでしょう。
サーバー内部2

  • 内部の大部分を占めるのは水槽です。右側面の黄色いラインまで水を入れます。

さらに接近。グルグル巻いた管があります。
サーバー内部1

  • 外側の赤っぽい銅管コイル = コイル内に電気で冷却された冷媒が流れることで、このコイルの周りに着氷します。
  • 内側の銀色のステンレス管コイル = この中をビールが通ります。このコイルの周りには着氷しません。

要するに、外側のコイルに着いた氷によって水槽内の水が氷水となり、氷水に浸かった内側のコイルの中をビールが通過することで一気に飲み頃の温度まで冷やされる…ということです。分かってしまえばシンプルな仕組みですね。ビールが通る内側のコイルを取り出したものが下の写真です。管の長さは10m以上!
ちなみに、複数のビールを一台でつなぐことができるサーバーは、この銀色のコイルが複数備えられています。写真のビールサーバーは2ライン。エステラとスタウトを一台で注げます。
ディスペンサーコイル

ビール用のコイルのさらに内側、格子状の枠の中には水槽内を撹拌するためのプロペラが隠れています。上の2枚目の写真に見える白い円形のものが、このプロペラを回すためのモーターです。このプロペラは常時回っており、氷水の温度が常に均一になるような働きをします。ビールサーバーの雑音発生源の一つでもあります。
サーバーペラ

これで、何故ビールが一瞬にして冷えて出てくるのか分かっていただけたと思います。次回はその先、ビールが出てくる部分の話をします。

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