GARGERYが似合う大人の女性アーティストにスポットを当て、リュトンを片手に、思い思いのストーリーを語っていただいています。日暮里のBar PORTOでミュージシャンの奥平真希さんにお会いしました。
―奥平さん、本日はよろしくお願いします!
「よろしくお願いいたします!」
アバラのヒビが転機!?
―奥平さんは洗足学園音楽大学声楽科を卒業後、現在はジャズシンガーとして活躍していらっしゃいますが、ジャズシンガーになった経緯を教えてください。
「はい、子どもの頃にテレビでシャルロットチャーチが歌っているのを見てから「私もオペラ歌手になる!」と、シャルロットチャーチはオペラ歌手ではないのですが(笑)、オペラ歌手になることを夢見て歌ってきました。音大卒業後もクラシックを歌ってきましたがなかなか芽が出ず・・・、そんな時に大きな本番をいただいたので自分の身の丈に合ってない曲も頑張って歌ったんですが、疲労骨折で本番の2日後に肋にヒビが入って歌えなくなってしまったんです(笑)。」
「少し休みが必要だなーと思いながらも音楽を求めていろんなバーに飲みに行っていたんですが、そんな時に大学の同級生がやっているバーにアップライトピアノが2台あると聞いて遊びに行きました。そこでジャズピアニストのナンブユウキさんと出会い、その場のノリで何かやってみる?とセッションが始まり…、確かその時は宇多田ヒカルを歌ったと思います(笑)、「いいじゃん!ライブやろうよ!」と声をかけてもらい、せっかくだからジャズも歌ってみたい!と歌ったのがジャズを歌い始めたきっかけです。それまで流し聞きだったジャズに正面から向き合った瞬間でした。ジャズの面白さに気づいてからはどんどんハマっていきましたね。」
ライブは常に真剣勝負
「その頃遊びに行ったジャズバーで次々と出演が決まったのはありがたかったのですが、当時ジャズのレパートリーは12曲ほどしかなかったんです(笑)。なので、とにかく曲を覚えてどんどん歌詞も覚えて、たぶん1年間で70曲以上増やしたと思います。毎回違う音楽になることが面白くて、スリリングな部分もあり、なにより歌の仕事をいただけることが嬉しくて、とにかく夢中で歌っていました。今でもライブは常に真剣勝負で向き合ってます♪」
たくさん聴く、そして鍛える
―ミュージシャンとして大事にしていること、心がけていることは、どんなことでしょう?
「音楽をたくさん聴いて勉強し続けることですね。特に発声のことと発音ですね。これは死ぬまで勉強し続けると思います。自分自身がアウトプットばかりになると気持ちがネガティブになりやすいというか、なんとなく傾いてくるので、いろんな人の演奏を聴いて表現方法を研究することは自分の引き出しを増やすことに繋がるので、インプットも積極的にしていきたいです。」
「そして発声に関しては倍音をたくさん含んだいい声は声だけで感情を伝えられると思ってまして、歌詞も大事ですが歌詞がいらないほどに声そのものが訴える力が強いと思うんですよね。身体が縮こまらないようにクラシックも歌って歌うための身体を鍛えています。身体を開いてクラシックを歌うと肩甲骨の下が筋肉痛になったりするんですよね(笑)。ジャズを歌ったあとも筋肉痛になるくらい全身の筋肉を使って歌えるようになりたいです。」
お酒と音楽とジャズバー
―お酒とのお付き合いはどうでしょう?
「ここBar PORTOではタップでガージェリービールを出してくれているので生ビールで飲むことができるので、とても嬉しいです。ビールとバーボンが好きなんですが、やっぱり最初はビールを飲みたいです。」
「ジャズバーでお酒を飲むという喜びを知ってからは、いい演奏を目の前で聴きながらお酒を飲む時間が最高に幸せだなと感じるようになりました。おいしいお酒がもっと美味しく感じるのと、お酒を飲んで音楽を聴くとさらに音楽に浸れるし、この喜びをもっと早く知りたかったと思いました(笑)。
まだジャズバーに行ったことがないという方にはぜひその喜びを味わってほしいので、気軽に足を運んでほしいですね。全然敷居の高い空間ではないです。みんなそれぞれが自由に楽しめたらいいなと思います。」
―今後の活動について教えてください。
「現在2枚のアルバムをだしているのですが、今後オリジナルだけをまとめたアルバムをいつか作りたいと思っています。ジャズライブも毎月積み重ねて自分の世界を深めていけたらと思っていますのでぜひタイミングの合うときにライブ会場でお会いできたらうれしいです!」
奥平真希ホームページ https://www.makiokudaira.com/
奥平真希1st album “Blue in Green”と、ギタリスト原田上総とのduoユニットHaramakiでの1st album “2+1”はこちら https://makiokudaira.thebase.in/
協力:Bar PORTO(日暮里)