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【along with her story】 ミュージシャン 小山けいと

GARGERYが似合う大人の女性アーティストにスポットを当て、リュトンを片手に、思い思いのストーリーを語っていただいています。日暮里のライブバー「BAR PORTO(ポルト)」でミュージシャンの小山けいとさんとお会いしました。

一番自由で飾らない自分で居られる場所

「こんにちは、ヴォーカリスト&ヴォイストレーナーの小山けいとです!今日はよろしくお願いします。」

―ミュージシャンとして最近の活動をお聞かせください。

「最近ですかぁ〜。だんだんいつからが最近なのかわからなくなってきて…(笑)。声を使うこと全般が私のお仕事なので…、クラシックからゴスペル、変わったところではポルトガルのファド、たまに昭和歌謡。あ、これはもう仕事を忘れて楽しんでいますね。キャンディーズ?「やさしい悪魔」とかジャズコーラスアレンジして歌っていました。でも、ちょっとお姉さん世代かな(笑)。ピンクレディーはどストライク!街で流れるとついつい身体が踊ってしまって、年がバレるからやめなさいって(笑)。」

「え?あ。話が飛んでます、、、よね。え〜と、何でしたっけ?あ〜活動。最近の活動!やっぱりメインのフィールドはブラジル音楽ですね。一番自由で飾らない自分で居られる場所ですから。」

雷に撃たれたような出会い

―この世界に入ったきっかけを教えてください。

「この世界かぁ〜。そもそも、どの世界から入ったんだろう私…。どこまで記憶を遡りましょうか。子供の頃ですか?日本舞踊の師範の家に生まれましたから、踊りのお稽古とピアノのお稽古と…。はい、そのまま大人になっていれば、今と全然違う人生。よく言われます(笑)。3歳から舞台に立っていたからか、実はデビューは東宝ミュージカルなんです。その後にお芝居をもっと勉強したくて、ロンドンの演劇学校に短期留学したり。当時は舞台の本番がない時に、歌を歌ってバイトしてる感じでしたね。CMの録音とか、コーラスの仕事とか、結婚式の聖歌隊からBarのラウンジ…、とにかく歌で仕事が来ればなんでも!大学が声楽専攻だったので、めっちゃ幅広く、節操なくいろんな歌の仕事をしてたんです。」

「そんな時にブラジル音楽と出会ってしまったんですよ〜。雷に撃たれた衝撃!!これは半端な気持ちじゃ出来ない。この音楽のグルーヴを楽しむには、まずはどっぷりハマる必要がある!って。そこからですね。本当の意味で歌手に転向したのは。」

ブラジル音楽愛は、使命感へ

「それで「ブラジルに行くわぁ」と母に話したら、「じゃ、連絡が途絶えた親戚達に会って来れば?」って。説明忘れてました(笑)。ひいお爺様や親戚達が初期の移民なんです。サンパウロ新聞や日系新聞が取り上げてくれて、感動的な出会いもありました。祖先の一人は、日系の資料館にあった「古猿録」という初期移民を数人主人公にした実話の短篇小説にかっこよく描かれていて、読んでいるうちに私は来るべくしてブラジルに来たんだと思いましたね。」

リオデジャネイロにて

「ブラジル音楽愛はそのまま使命感へと変わり、盲目的に貪り続けましたよ。帰国してもまたすぐにブラジルへ。そのうちにブラジル音楽への憧れではなく、日本人の私がブラジルでブラジル音楽をブラジルのミュージシャンと演奏している、それをブラジルのお客様たちが楽しんでくれているという、すごく自由で自然体で歌っている自分に気がついたんです。 本当の意味で自分を解放できる音楽だったんですよね。」

「きっとブラジルに行かずに日本でひたすら勉強していたら、「ブラジル人っぽく歌う歌手」になっていたと思うんです。憧れや夢って心のどこかで手に入ったらいいのに手に入らないなぁって思ってるんじゃないかな。ただブラジル人に憧れていたら、ブラジルっぽさだけを追い求めていたら、いつまでたっても歌詞の言葉に自分の感情はリンクしないもん。それってある意味自己否定しているように感じて。。。 あああ〜また私、難しいこと語ってる?歌手である前に女でありたい By 山口百恵 。」

「酔ってません。マスター、おかわり〜〜〜〜。」

裸が服を着て歩いている

「嘘はつけないのよね〜。演奏や歌に全部出るでしょ。自己中心的な人は演奏も独りよがり。だからって良い人でいたいとは思わない。不器用でも正直で誠実で一生懸命で表裏がない、CDのA面。少しくらい謎めいた方が、夢を与える商売なんだからってよく先輩達に言われたけど、いいの!私は裸が服を着て歩いているようなものなんだからっ。」

「あ〜そうだ。もうひとつ。「感動を与えたいと思って演奏しない」こと。かな?」

―今後の活動予定を教えてください。

「夏に私が参加しているSambaのバンドPiscadelaのレコーディングがあります。秋には発売予定、それにともなってツアーも企画されるので楽しみなんです。それと、4月7日(火曜)に、ここ日暮里BAR PORTOで、ギターの長澤紀仁さんとのライブを、またやりますよ!」

BAR PORTOでの長澤紀仁さんとのライブにて

喉を喜ばせて、歌う

―外飲みで印象深い思い出や経験を聞かせてください。

「それは色々ありますよ。内緒ですけどね!」

「ガージェリーはやっぱりこんな風に落ち着いた雰囲気のお店でカウンターに座って飲みたいな。女子のひとり飲みはハードル高そうだけど、ガージェリーなら大丈夫。」

「BAR PORTO、ここに来ると、まずはガージェリー!歌う前に飲まない人が多いと思うけど、私の場合は逆です。ガージェリー飲むと喉が喜んでいるみたいなんです。だから。。。」

「すみません。おかわり!」

撮影協力:BAR PORTO(日暮里)

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